ロボット掃除機2台を1年並行運用して気づいたこと【Roborock vs Dreame】

「どっちが良いですか?」に正直に答えられなかった理由がわかった1年でした。スペック表では見えない運用コストや、Matter連携の現実をエンジニア目線で。

ロボット掃除機を2台運用して1年、エンジニア視点で本音を語る【2026年版】

去年の6月に引越しをきっかけにロボット掃除機を2台体制にして、ちょうど1年が経った。リビングにRoborock S9 MaxV、寝室〜廊下エリアにDreame X50 Ultraを置いて、並行運用してきた結果がだいたい見えてきたので書いておく。

「どっちが良いですか?」って聞かれることが増えてきたけど、正直「用途による」としか言えなくて。ただそれだと何も参考にならないので、エンジニア的に検証した数値と体感を混ぜて話したい。

自宅をIoTインフラとして設計した8ヶ月の記録でも書いたけど、自宅をある種のインフラとして捉え始めてから、ガジェット選びの基準が「スペック」から「運用コスト」に変わった。ロボット掃除機もまさにそういう観点で選ぶべきだと思ってる。

2026年のロボット掃除機市場、どう変わったか

2025年後半から2026年にかけて、市場が大きく動いた。特に変化が激しかったのは3点。

ひとつ目がAIカメラの精度向上。2年前のモデルは充電器やコード類を認識できなくて、よく踏み越えて止まってたけど、今年のモデルはペットのフン回避はもちろん、薄いケーブルやソックスまで拾って避けられる。Roborock S9 MaxVで実際に試したけど、ほぼ踏み越えることがなくなってマジで感動した。

ふたつ目がドックの全部乗せ化。水の給排水・洗剤自動投入・ゴミ収集・モップ洗浄・温風乾燥が1台のステーションに集約されてきた。ドックに吸い込んだゴミが60日分まで自動収集できるモデルも出てきて、もはや「週1でゴミ捨て」すら不要になってる。

みっつ目がMatter/Home Hub連携の本格化。2026年になってMatterプロトコルへの対応がロボット掃除機にも広がってきて、Apple HomeやGoogle Homeとの連携がかなりマシになった。ただし後述するけど、ここはまだ甘い部分がある。

xychart-beta
  title "ロボット掃除機の機能進化スコア(2022→2026年 5点満点)"
  x-axis ["障害物回避", "モップ洗浄", "AIマッピング", "Matter対応", "騒音対策"]
  y-axis 0 --> 5
  bar [2, 1, 3, 0, 3]
  line [5, 5, 5, 3, 4]

上のグラフは2022年モデルと2026年モデルを主要機能で比較したもの。障害物回避とモップ洗浄の伸びが顕著で、Matter対応はまだ発展途上という感じ。

Roborock S9 MaxV vs Dreame X50 Ultra、1年運用した本音

実際に使ってみて、スペックシートではわからない部分がたくさんあった。以下の比較表は1年使い続けた体感と実測ベース。

項目Roborock S9 MaxVDreame X50 Ultra
吸引力(公称値)22,000 Pa20,000 Pa
実感吸引力(カーペット)★★★★★★★★★☆
モップ性能★★★★☆★★★★★
障害物回避精度★★★★★★★★★☆
アプリUI★★★★☆★★★☆☆
Matter連携対応(制限あり)非対応(2026/7時点)
ドックのフットプリントやや大きい大きい
動作音(掃除中)約65dB約68dB
フィルター交換目安3ヶ月2ヶ月
実売価格帯(2026年7月)約12〜14万円約10〜12万円
ファームウェア更新頻度月1〜2回不定期(2〜3ヶ月に1回)

どっちが「勝ち」というより用途が違う、というのが1年使って出た結論だ。Roborock S9 MaxVはフローリング多め・障害物が散らかりがちな部屋向けで、Dreame X50 Ultraはモップがけ重視・ある程度整理された部屋向けという印象。

個人的にRoborock派に傾いた一番の理由は、ファームウェア更新の速さだったりする。不具合修正が早いし、新機能もどんどん来る。ソフトウェアエンジニア的には「サポート体制」ってハードウェアの性能と同じくらい重要で、ここを評価してる。Dreameも悪くないんだけど、更新が止まってる期間の不安感はどうしても拭えなかった。

スマートホーム連携の現実——Matter対応は「使える」のか

ここが一番書きたかったところ。スマートホーム2026|Matter対応・IT技術者向け自宅インフラ構築ガイドでも触れたけど、Matterのエコシステムはまだ発展途上で、ロボット掃除機との連携はとくに微妙なんですよね。

flowchart TB
    subgraph Hub ["ホームハブ"]
        AH[Apple Home]
        GH[Google Home]
    end
    subgraph Robot ["ロボット掃除機"]
        RS[Roborock S9 MaxV]
        DX[Dreame X50 Ultra]
    end
    subgraph Automation ["自動化"]
        SC[ショートカット / Routines]
        HA[Home Assistant]
    end

    AH -->|Matter経由| RS
    AH -.->|未対応| DX
    GH -->|クラウド連携| DX
    GH -->|Matter経由| RS
    RS -->|状態通知| SC
    DX -->|状態通知| SC
    SC --> HA
    HA -->|ローカル制御| RS
    HA -->|Dreame統合| DX

Roborock S9 MaxVはMatter対応をうたってるけど、実際にApple Homeで使えるのは「掃除開始/停止」と「充電器へ戻す」くらい。部屋ごとのゾーン指定やスケジュール設定はMatter経由ではできなくて、結局Roborockのアプリを開くことになる。

「だったらMatter意味ないじゃん」と思いつつ、Home Assistantと組み合わせると話が変わる。HA経由でローカル制御できると、クラウドに依存しないオートメーションが組めるんですよね。たとえばうちでは:

  • 外出検知(iPhoneのGeofencing)で自動的に掃除スタート
  • 帰宅30分前に自動で充電器に戻す
  • 深夜0時以降は動作禁止(騒音クレーム対策)

こういう細かい自動化をHome Assistantで組んでる。Dreame X50 UltraはMatter非対応だけど、HAにDreameのカスタムインテグレーションを入れると似たようなことができる。

# Home Assistant automation例(Roborock)
automation:
  - alias: "帰宅前に掃除終了させる"
    trigger:
      - platform: zone
        entity_id: person.me
        zone: zone.home
        event: enter
    condition:
      - condition: time
        after: "08:00:00"
        before: "22:00:00"
    action:
      - service: vacuum.return_to_base
        target:
          entity_id:
            - vacuum.roborock_s9_maxv
            - vacuum.dreame_x50_ultra

これだけで「帰ったら掃除途中だった」という事故がなくなった。地味だけど、地味に便利。

1年使って後悔したこと・よかったこと

よかったことから言うと、床掃除への精神的負荷がほぼゼロになったのが一番大きい。在宅勤務中に勝手に動いて終わってるので、「掃除しなきゃ」という罪悪感が消えた。コーディングの集中度に地味に影響してたんだと、なくなって初めて気づいた。

後悔したことは3つある。

1つ目は部屋の間取りを甘く見てたこと。ロボット掃除機が通れない幅の家具隙間がうちには3箇所あって、そこは結局手掃除のまま。導入前にメジャーで測っておくべきだった(当たり前だけど意外とやらない)。

2つ目はドックの置き場所。2台ぶんのドックって結構でかくて、コンセント位置の制約と組み合わさると置き場所がかなり限られる。エンジニアのデスク収納術2026で書いたようなケーブル管理の話と同じで、設置計画は事前にやらないと後で詰む。これは本当に痛感した。

3つ目はフィルター・消耗品のコスト。最初は本体の値段ばかり気にしてたけど、年間の消耗品費がけっこうかさむ。

pie title 年間ランニングコスト内訳(2台分・実測)
  "フィルター交換" : 8000
  "モップパッド" : 12000
  "サイドブラシ" : 6000
  "洗剤・消耗品" : 9000
  "電気代(推定)" : 5000

2台合わせると年間4万円くらいかかってる計算だ。本体価格が高くても消耗品が安いモデルを選ぶほうが、長期的にはコスパが良かったりする。購入前にちゃんと調べなかったのは反省してる。

2026年、買うなら何を選ぶか

まだ検証中の部分もあるけど、2026年7月時点での自分なりの選定基準を書いておく。

フローリング中心 × 障害物が多い部屋
→ Roborock S9 MaxV or S9 MaxV Ultra。障害物認識が最上位クラスで、ファームウェアが安定してる。Matter対応もこのクラスが一番進んでる。

モップがけ重視 × 整理された部屋
→ Dreame X50 Ultra。モップの加圧と洗浄機能が優秀で、水拭き後の乾燥も速い。価格も少し安い。

とにかく安くスタートしたい
→ Roborock Q Revo MaxV(2026年春モデル)が7〜8万円台で出てきて、これが「入門機として壊せる」クラス。最初の1台に悩んでる人はここから始めるのがいいと思う。

購入を迷ってる人に聞きたいのは、「何を自動化したいか」より「どこの掃除が一番しんどいか」という話だ。それを明確にしてから機種を選んだほうが、後悔しない。

在宅勤務の騒音対策完全ガイドでも書いたけど、在宅勤務中の生活音問題はエンジニアにとってけっこう深刻で、ロボット掃除機の動作音は選定基準に入れておくべきだ。個人的には65dB以下が在宅勤務中に許容できるラインだと思ってる。Dreame X50 Ultraの68dBはその意味でじわじわ気になるシーンがあった。

まとめ

1年間2台体制で運用してわかったことをまとめると:

  • 2026年のロボット掃除機は「障害物回避」と「ドック機能」が選定の核。吸引力の数字よりこっちを見たほうがいい
  • Roborock S9 MaxVはフローリング×散らかった部屋向け。ファームウェア更新の頻度がソフトウェア的観点で高評価
  • Dreame X50 Ultraはモップ重視向け。Matter非対応だがHome Assistantで制御可能
  • Matter対応はまだ発展途上。期待しすぎないほうがいい。Home Assistantと組み合わせると真価が出る
  • 消耗品コストは年間2〜4万円を覚悟。長期目線でランニングコストを計算してから選ぶ

次は、Home Assistantの自動化をさらに精緻化して、センサー連携(空気質センサーとの組み合わせ)をやってみようと思ってる。「空気が汚れたら掃除スタート」みたいなことができるかどうか——これはまた別の記事で書く予定。

皆さんのロボット掃除機の選び方や自動化アイデアがあれば、ぜひコメントで教えてください。

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Untanbaby

ソフトウェアエンジニア|AWS / クラウドアーキテクチャ / DevOps

10年以上のIT実務経験をもとに、現場で使える技術情報を発信しています。 記事の誤りや改善点があればお問い合わせからお気軽にご連絡ください。

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