家計の固定費を見直したら年間60万円浮いた話|エンジニアが6ヶ月かけてやったこと

「仕事ではAWSコスト最適化してるのに自分の家計は放置」そんな矛盾に気づいて固定費を全棚卸し。通信・保険・サブスクをコードも使いながら6ヶ月で見直した実録です。

昨年末に家計を本気で見直したら、固定費だけで年間60万円以上が「無駄遣い」に分類された。

正直ショックだった。SaaS費用とかインフラコストは毎月チェックしてるのに、自分の生活費はほぼ無頓着だったんですよね。プロジェクトで「AWSのコスト最適化」をやってる人間が、自分の家計は放置というのはさすがに笑えなかった。

そこから約6ヶ月、項目ごとに徹底的に分解して対処した。コードも書いた。自動化もした。試行錯誤も多かった。この記事はその記録だ。


まず「敵の正体」を見える化する——固定費の全体像

最初にやったのは、全固定費の棚卸しだ。「なんとなく払ってる」状態を終わらせるために、過去12ヶ月の引き落とし・カード明細をCSVで引っ張ってきて分類した。

import pandas as pd
from collections import defaultdict

# 銀行明細CSVを読み込んで固定費を分類
df = pd.read_csv('statements_2025.csv', encoding='utf-8')

# カテゴリ分類(キーワードベース)
category_map = {
    '住居': ['家賃', '管理費', '駐車場', '水道', '電気', 'ガス'],
    '通信': ['docomo', 'au', 'softbank', '楽天モバイル', 'IIJ', 'NTT', 'internet'],
    '保険': ['生命保険', '医療保険', '損保', '共済'],
    'サブスク': ['Netflix', 'Spotify', 'Amazon', 'Adobe', 'GitHub', 'ChatGPT'],
    '金融': ['ローン', '奨学金', 'つみたて', 'iDeCo'],
}

def categorize(description):
    for cat, keywords in category_map.items():
        if any(kw in str(description) for kw in keywords):
            return cat
    return 'その他'

df['category'] = df['description'].apply(categorize)
monthly_fixed = df.groupby('category')['amount'].sum() / 12
print(monthly_fixed.sort_values(ascending=False))

実行結果(月次平均)はこんな感じだった:

category
住居       145,000
金融        52,000
保険        28,000
サブスク      18,500
通信        12,800
その他        6,200
dtype: float64

この時点で「保険28,000円ってそんな払ってたっけ」「サブスクが18,500円は絶対多すぎる」という感覚があった。特にサブスクはサービス単体で見れば安く感じても、積み重なると恐ろしい。数字で見てはじめて「あ、これは本格的にまずい」と実感した。

pie title 月次固定費の内訳(見直し前)
  "住居" : 145000
  "金融" : 52000
  "保険" : 28000
  "サブスク" : 18500
  "通信" : 12800
  "その他" : 6200

住居を除いた変動可能コストだけでも月約67,500円。年間81万円だ。「ここを削れるかどうか」が今回の勝負どころだった。


通信費:格安SIM + 楽天eSIMで月7,500円削減

長年ずっとdocomoのメイン回線を使っていた。月額8,900円(税込)。「大手キャリアは安定してるから」という理由でずっと放置してたんだけど、2026年時点で格安SIM・格安5Gの品質は正直もう大差ないと感じてる。

移行したのは IIJmio(ギガプラン15GB) + 楽天モバイル(サブ回線) の2枚持ち構成だ。

項目変更前変更後
メイン回線docomo 8,900円IIJmio 15GB 2,068円
サブ回線なし楽天モバイル 3GB 1,078円
自宅Wi-FiNTT光 5,500円変更なし
合計14,400円6,646円

月約7,500円、年間90,000円の削減。思ったより大きかった。

手続きはMNP(番号ポータビリティ)+ オンライン申込みで完結した。自動化という意味では、IIJmioのAPI(非公式だが会員ページのスクレイピング)でデータ使用量を定期監視するスクリプトも作ったけど、正直そこまでしなくてもアプリで十分だった。エンジニアあるある、自動化したいだけの自動化。

格安SIM自動化についてもっと詳しく知りたい人は 格安SIM自動化で通信費削減|エンジニア向けAPI・eSIM管理術2026 が参考になると思う。

ただし注意点もある。IIJmioはdocomoの回線を使っているので品質は安定しているが、通勤ラッシュ時の混雑帯で若干遅くなることがある。リモートワーク主体の自分はほぼ問題なかったけど、外出が多い人は1ヶ月試用期間で感触を確かめた方がいいかもしれない。


保険:見直しで月15,000円削減——「なんとなく入ってた」の怖さ

ここが一番衝撃だった。整理してみると、

  • 就職時に親に勧められた終身保険(死亡保障3,000万円):月12,000円
  • 会社の団体医療保険:月3,200円
  • クレジットカード付帯の旅行保険:実質無料だが補償内容を把握してなかった

終身保険、35歳独身(子供なし)でこの死亡保障は明らかに過剰だ。「お父さんが亡くなったとき家族が困らないように」という親心で入らされたやつが、十数年後も自動的に引き落とされ続けていた。FPに相談したところ「今の状況なら定期保険か共済で十分」という結論になった。

移行先として選んだのは 県民共済(総合保障2型)楽天生命の定期保険(1,000万円) の組み合わせだ。

保険月額主な補償
旧:終身保険12,000円死亡3,000万円
新:県民共済2,000円入院・手術・死亡200万円
新:定期保険1,500円死亡1,000万円(10年)
差額▲8,500円

医療保険単独は解約して、県民共済に統合した形だ。月合計で15,000円弱の削減になった。年間18万円。これはマジで大きい。

保険見直しについては 生命保険見直しガイド2026|フリーランス・副業ITエンジニア必読の最適設計生命保険を月8000円削減した話 でも書いているので、雇用形態ごとに状況が違う人はそちらも参照してほしい。


サブスク:18,500円→8,200円に。「生きてるかどうか」チェックが全て

正直ここが一番楽しかった。棚卸し前のサブスクはこんな状態だった:

✅ Netflix (スタンダード)     1,590円
✅ Spotify                   980円
✅ Amazon Prime              600円
✅ Adobe Creative Cloud     6,480円
✅ ChatGPT Plus             3,000円
✅ GitHub Copilot             950円(会社支給にできた)
❌ Backlog(個人)            1,650円  ← 3ヶ月使ってない
❌ Duolingo Plus              730円  ← 半年ログインしてない
❌ Notion AI                  1,800円  ← 会社版があるのに個人でも契約
❌ ドロップボックス Business    1,500円  ← Google Driveと重複

会社で支給されるものを個人でも契約していたというのが典型的なミスだ。GitHub Copilotは業務PCに設定して個人アカウントの決済を止めた。Notion AIは会社版で補えると気づいて解約。BacklogとDuolingoは純粋に放置していた。半年ログインしてないサービスに毎月お金を払い続けるのは、さすがに言い訳が効かない。

Adobe Creative Cloudは高いが、実際に使っている(動画編集と写真現像をたまにやる)ので継続。ただし年間プランに切り替えて実質2ヶ月分のコストを削減した。

xychart-beta
  title "サブスク月額コスト変化"
  x-axis ["1月", "2月", "3月", "4月", "5月", "6月"]
  y-axis "月額(円)" 0 --> 25000
  bar [18500, 18500, 16000, 12000, 9500, 8200]
  line [18500, 18500, 16000, 12000, 9500, 8200]

段階的に気づいて削減してきたので、3ヶ月かけて月10,000円以上の削減になった。一気に解約するのではなく「今月これを止める」と決めて毎月少しずつ整理していくのが、意外と心理的にラクだった。

サブスク管理の自動化については サブスク費用を自動管理・最適化|エンジニア向け完全ガイド2026 が詳しい。個人的にはNotionのデータベースで管理する方法に落ち着いたけど、スクリプトでSlack通知する構成も試した。


住居費:これが一番「重い」。でも実は見直し余地がある

家賃145,000円(1LDK、都内、駅徒歩7分)。正直まだ検証中というか、すぐに動けない事情がある。ただ、住居費削減のアプローチとして実際に試したこと・検討中のことを正直に書く。

① 住宅手当・補助を最大活用

会社の住宅手当が月20,000円出る条件が「会社から30分以内」だった。現在の住所では対象外だったが、来年の更新タイミングで対象エリア内に引越すことを検討している。これだけで年間24万円のキャッシュフロー改善になる。

② 電気代の見直し

住居費の一部として電気代も見直した。新電力に切り替えた時期もあったけど、2023年頃の電力危機で元に戻したりと迷走した。2026年現在は楽天でんきに落ち着いていて、楽天ポイント還元込みで実質月2,000円ほど安くなっている。

③ 自動引き落としを「見える化」する仕組み

光熱費の自動引き落とし通知をGmailでフィルタリングして、Googleスプレッドシートに自動転記するGASスクリプトを作った。

// Google Apps Script: 光熱費メール自動集計
function collectUtilityBills() {
  const sheet = SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet().getSheetByName('光熱費');
  const threads = GmailApp.search('subject:(引き落とし OR 請求) 電気 OR ガス OR 水道 newer_than:35d');
  
  threads.forEach(thread => {
    const msg = thread.getMessages()[0];
    const body = msg.getPlainBody();
    const date = msg.getDate();
    
    // 金額抽出(簡易パターン)
    const amountMatch = body.match(/[¥¥]?([0-9,]+)円/);
    if (amountMatch) {
      const amount = parseInt(amountMatch[1].replace(',', ''));
      sheet.appendRow([date, msg.getSubject(), amount]);
    }
  });
  
  Logger.log('集計完了');
}

これで「毎月いくら払ってるか」が自動で記録される。地味に便利で、記録が積み上がるだけで節電・節ガス行動が変わってきた気がする(気のせいかもしれないけど)。

住居費の根本的な削減は引越しタイミング依存で正直すぐには難しいが、引越し費用を41%削減できた話 のようなアプローチを次の引越しには絶対活用しようと決めてる。


全体のビフォーアフターと削減フロー

6ヶ月の見直し結果をまとめるとこうなった。

xychart-beta
  title "固定費 月次推移(見直し前後)"
  x-axis ["見直し前", "3ヶ月後", "6ヶ月後"]
  y-axis "月額(円)" 0 --> 300000
  bar [262500, 240000, 212300]
  line [262500, 240000, 212300]
カテゴリ見直し前(月)見直し後(月)削減額年間削減
通信費14,400円6,646円▲7,754円▲93,048円
保険28,000円13,500円▲14,500円▲174,000円
サブスク18,500円8,200円▲10,300円▲123,600円
電気代(実質)9,000円6,800円▲2,200円▲26,400円
合計69,900円35,146円▲34,754円▲417,048円

住居費(家賃)は来年の引越し待ちなのでカウント外にしているが、それだけでも年間41万円強が浮いた計算になる。目標の60万円には、引越しで住宅手当を使えるようになれば届く算段だ。

見直しの流れをフローで整理するとこんなイメージ:

flowchart TD
  A[固定費の全棚卸し\n過去12ヶ月の明細分析] --> B{カテゴリ分類}
  B --> C[通信費]
  B --> D[保険]
  B --> E[サブスク]
  B --> F[住居費]
  
  C --> C1[格安SIM比較\nIIJmio/楽天モバイル]
  C1 --> C2[MNP手続き\neSIM設定]
  
  D --> D1[FP相談\n必要保障額を算出]
  D1 --> D2[共済+定期保険へ移行]
  
  E --> E1[利用頻度チェック\n3ヶ月未使用は即解約]
  E1 --> E2[会社支給との重複排除]
  E2 --> E3[年額プランで割引]
  
  F --> F1[住宅手当条件確認]
  F1 --> F2[次回更新時に\n引越し検討]
  
  C2 & D2 & E3 & F2 --> G[月次コスト自動記録\nGAS + スプレッドシート]
  G --> H[四半期レビュー\n再最適化]

まとめ

6ヶ月やり切って実感したのは、「知らなかったから損してた」というより「見ようとしてなかったから損してた」ということだ。以下、特に重要だと思うポイントをまとめる。

  1. 「払ってる」ことすら忘れてるコストが一番危険。サブスクと保険の放置は本当にもったいない。まず棚卸しスクリプトを作って全項目を可視化するところから始めてほしい。

  2. 通信費は今すぐ動けば最速で効果が出る。IIJmioや楽天モバイルへのMNPは申込みから1週間以内に完了する。年間9万円の削減は即効性がある。

  3. 保険はFP相談が必須。自分一人で判断するのはリスクがある。ライフステージと必要保障額を整理してもらうだけで、過剰な保障からの脱出ができる。

  4. サブスク管理は「ゼロベース見直し」が効く。「使ってるかどうか」ではなく「解約しても困らないか」で判断するとだいぶ変わる。

  5. 自動記録の仕組みを作ると継続できる。GASでメール→スプレッドシート自動集計を作ってから、固定費の変化に敏感になった。意識の変化は数字の可視化から始まる。

次のアクション

  • まず過去12ヶ月のカード明細・引き落とし履歴をCSVで取得して、Pythonかスプレッドシートで分類する
  • サブスクは今月中に「3ヶ月ルール」で全部チェック(3ヶ月使ってないものは即解約)
  • 保険は最寄りの無料FP相談(保険クリニック・ほけんの窓口)に1回行ってみる
  • 通信費はMNP先のシミュレーターで試算だけ先にやってみる

皆さんは固定費の見直し、最後にやったのいつですか?「なんとなく払い続けてる」状態になってる項目、意外と多いと思いますよ。

U

Untanbaby

ソフトウェアエンジニア|AWS / クラウドアーキテクチャ / DevOps

10年以上のIT実務経験をもとに、現場で使える技術情報を発信しています。 記事の誤りや改善点があればお問い合わせからお気軽にご連絡ください。

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