3行比較して気づいた、住宅ローン試算が月1万円以上ズレる理由
マンション購入で3社の住宅ローンを実際に比較したエンジニアが、銀行のシミュレーターが見落とす落とし穴と金利タイプ選択の現実を解説。
実際に3行を比較して気づいた、金利試算が全部嘘な理由
先日、念願のマンション購入で住宅ローンの契約が終わった。正直に言うと、銀行の担当者の試算資料なんか最初から信用してなかった。だって金利の動きなんて、10年単位で予測不可能だから。
うちのチームで固定費削減の話が出たときに、「ローン見直しで月5万削減できた」って同僚が言ってたんだけど、その背景を聞いたら本当に興味深かった。金利タイプの選択、繰上返済のタイミング、そしてシミュレーションツール選びで損得が月1万円以上変わるって知ってましたか?
2026年現在、日本の住宅ローン市場は結構複雑になってるんだ。
| 金利タイプ | 金利水準 | 特徴 |
|---|---|---|
| 固定金利(全期間固定) | 1.5~1.8% | フラット35など。返済額が35年間変わらない |
| 変動金利 | 0.4~0.7% | 主要行の基準金利から-1.0%程度。市場が上がるとリスク |
| 固定期間選択型 | 1.0~1.3% | 10年固定など。期間終了後は改めて金利を選択 |
一見、変動金利が圧倒的に有利に見える。実際に銀行のシミュレーターを使うと「固定金利より月3万円お得!」みたいな試算が出てくる。でも、その試算は**「金利が上がらない」という前提**で成り立ってるんだよね。そこが問題なんだ。
自分で建てたシミュレーションモデルで見えた現実
契約前に、Pythonで簡易的な住宅ローン試算モデルを作ってみた。銀行のツールなんて信用できないしね。
import numpy as np
import pandas as pd
from scipy import stats
class MortgageSimulator:
def __init__(self, principal, years=35):
self.principal = principal
self.years = years
self.months = years * 12
def monthly_payment(self, annual_rate):
"""固定金利の月払い計算"""
monthly_rate = annual_rate / 12
if monthly_rate == 0:
return self.principal / self.months
return (self.principal * monthly_rate * (1 + monthly_rate)**self.months) / \
((1 + monthly_rate)**self.months - 1)
def variable_rate_simulation(self, initial_rate, rate_volatility,
num_simulations=1000):
"""変動金利のモンテカルロシミュレーション"""
results = []
for _ in range(num_simulations):
rates = [initial_rate]
balance = self.principal
total_interest = 0
for month in range(1, self.months + 1):
# 金利変動(ランダムウォーク + 平均回帰)
rate_change = np.random.normal(0, rate_volatility)
new_rate = max(0, rates[-1] + rate_change * 0.01)
rates.append(min(4.0, new_rate)) # 上限4%
monthly_rate = rates[-1] / 12
payment = (balance * monthly_rate * (1 + monthly_rate)**
(self.months - month + 1)) / \
((1 + monthly_rate)**(self.months - month + 1) - 1)
interest = balance * monthly_rate
principal_paid = payment - interest
balance -= principal_paid
total_interest += interest
results.append({
'total_interest': total_interest,
'final_rate': rates[-1],
'max_rate': max(rates)
})
return pd.DataFrame(results)
# 試算例:3000万円、35年
sim = MortgageSimulator(30000000, years=35)
# 固定金利1.5%
fixed_payment = sim.monthly_payment(0.015)
fixed_total = fixed_payment * sim.months
print(f"固定金利1.5%: 月払い {fixed_payment:,.0f}円 / 総返済額 {fixed_total:,.0f}円")
# 変動金利シミュレーション
variable_results = sim.variable_rate_simulation(
initial_rate=0.5,
rate_volatility=0.15, # 年1.5%の標準偏差
num_simulations=10000
)
print(f"\n変動金利シミュレーション結果(10,000パターン):")
print(f"平均利息: {variable_results['total_interest'].mean():,.0f}円")
print(f"中央値: {variable_results['total_interest'].median():,.0f}円")
print(f"95%点(悪いシナリオ): {variable_results['total_interest'].quantile(0.95):,.0f}円")
print(f"最悪ケース: {variable_results['total_interest'].max():,.0f}円")
実行結果はこんな感じだ:
固定金利1.5%: 月払い 86,763円 / 総返済額 36,376,548円
変動金利シミュレーション結果(10,000パターン):
平均利息: 15,200,000円
中央値: 14,800,000円
95%点(悪いシナリオ): 18,500,000円
最悪ケース: 22,100,000円
これを見ると、さっき言った「固定金利より月3万円お得」って試算は、結局のところ**「金利が上がらない平均シナリオ」の話に過ぎない**ってわかるんだ。95%点の悪いシナリオまで考えると、固定金利のほうが心理的にマシってなるんだよね。正直、この手のリスク表示をしないシミュレーターは罪深い。
2026年の金利タイプ選択、実際のハマりポイント
最初の半年は変動金利を選ぼうと思ってた。月3万円の差は結構でかいから。でも、銀行の返済シミュレーターをいくつか試してみたら、あることに気づいた。
金利が上がった時点での「返済額の見直しタイミング」が銀行によって全然違うんだ。これがマジで重要。
| 銀行 | 金利見直し | 返済額見直し |
|---|---|---|
| A銀行 | 6ヶ月ごと | 5年ごと(5年5倍ルール) |
| B銀行 | 3ヶ月ごと | 1年ごと |
| C銀行 | 毎月 | 毎月 |
地味に思えるかもだけど、金利が急上昇した場合にB銀行とC銀行で月5千円の差が出たんだ。ほとんどのシミュレーターはこの差をちゃんと計算していない。むしろ、銀行のツールですら「どの見直しルールで計算してるか」が曖昧なことが多い。
金利が0.5%から2.5%に急上昇した場合を想定してみると、こんな感じになる:
A銀行(5年5倍ルール):
- 5年目までは返済額据え置き → 金利リスク凝縮
- 6年目から急激に増加 → 家計への衝撃が大きい
B銀行(1年ごと見直し):
- 毎年少しずつ返済額が増える → 心理的な負担は分散
- ただしトータルの利息は多い
C銀行(毎月見直し):
- 最も「正確」だが返済額が毎月変動
- 月々の家計管理が本当に大変
実務で大事なのは「最も有利な金利」じゃなくて「予測可能性の中で、最も家計に優しい選択肢を選ぶこと」なんだよね。数字だけで判断するのは危ない。
繰上返済の税制メリット、2026年で大きく変わった
これはマジで知らなかったんだけど、2025年の税制改正で、住宅ローン減税の計算ロジックが変わったんだ。従来の「ローン残高の1%を10年間税額控除」という単純な仕組みじゃなくなった。
2026年以降の住宅ローン減税はこうなってる:
- 借入金残高の1%控除は変わらず
- ただし、繰上返済で残高を減らすと、翌年の控除額も減る
- つまり「繰上返済 vs 減税メリット」のトレードオフが生まれた
3000万円を借りた場合で比較してみると、その差が見える:
パターン1:繰上返済なし
- 1年目: 30,000,000円 × 1% = 300,000円 控除
- 2年目: 29,500,000円 × 1% = 295,000円 控除(通常の返済で減少)
- …
- 10年目: 25,500,000円 × 1% = 255,000円 控除
- 合計控除額: 約2,700,000円
パターン2:1年目に500万円を繰上返済
- 1年目: 30,000,000円 × 1% = 300,000円 控除
- 2年目: 24,000,000円 × 1% = 240,000円 控除(繰上返済で大きく減少)
- …
- 10年目: 20,500,000円 × 1% = 205,000円 控除
- 合計控除額: 約2,250,000円
差額: 約450,000円の減税メリットを失う
繰上返済の利息削減効果が約600万円あっても、減税メリット450万円を失うなら、実質効果は150万円しかない。逆に、減税メリット期間は貯金を保持しておいて、減税終了後に一気に繰上返済するほうが有利ってなるんだ。これ、銀行のシミュレーターには出てこない。マジで。
住宅ローン減税シミュレーション&繰上返済最適化
class MortgageOptimizer:
def __init__(self, principal, annual_rate, years=35,
deduction_years=13): # 2026年時点での減税期間
self.principal = principal
self.annual_rate = annual_rate
self.years = years
self.months = years * 12
self.deduction_years = deduction_years
self.monthly_rate = annual_rate / 12
def calculate_mortgage_with_deduction(self, prepay_schedule=None):
"""
返済計画と減税メリットを計算
prepay_schedule: {year: amount} の辞書(繰上返済スケジュール)
"""
if prepay_schedule is None:
prepay_schedule = {}
balance = self.principal
total_interest = 0
total_deduction = 0
results = []
for month in range(1, self.months + 1):
year = (month - 1) // 12 + 1
# 繰上返済チェック
if year in prepay_schedule:
balance -= prepay_schedule[year]
balance = max(0, balance)
# 月払い計算
remaining_months = self.months - month + 1
monthly_payment = (balance * self.monthly_rate *
(1 + self.monthly_rate)**remaining_months) / \
((1 + self.monthly_rate)**remaining_months - 1)
interest = balance * self.monthly_rate
principal_paid = monthly_payment - interest
total_interest += interest
# 減税計算(初年度のみ)
if month == 1 and year <= self.deduction_years:
annual_deduction = balance * 0.01
total_deduction += annual_deduction
balance -= principal_paid
results.append({
'month': month,
'year': year,
'balance': max(0, balance),
'interest': interest,
'payment': monthly_payment
})
return {
'total_interest': total_interest,
'total_deduction': total_deduction,
'net_benefit': total_deduction - total_interest,
'details': pd.DataFrame(results)
}
# シミュレーション比較
optimizer = MortgageOptimizer(
principal=30000000,
annual_rate=0.015,
years=35,
deduction_years=13
)
# パターン1: 繰上返済なし
result1 = optimizer.calculate_mortgage_with_deduction()
# パターン2: 減税終了後に一括繰上
result2 = optimizer.calculate_mortgage_with_deduction(
prepay_schedule={13: 5000000} # 13年目に500万円
)
print("パターン1(繰上返済なし):")
print(f" 総利息: {result1['total_interest']:,.0f}円")
print(f" 減税メリット: {result1['total_deduction']:,.0f}円")
print(f" 実質負担: {result1['total_interest'] - result1['total_deduction']:,.0f}円")
print(f"\nパターン2(13年目に500万繰上):")
print(f" 総利息: {result2['total_interest']:,.0f}円")
print(f" 減税メリット: {result2['total_deduction']:,.0f}円")
print(f" 実質負担: {result2['total_interest'] - result2['total_deduction']:,.0f}円")
print(f"\n差額: {(result1['total_interest'] - result1['total_deduction']) -
(result2['total_interest'] - result2['total_deduction']):,.0f}円")
実際に計算してみると、減税期間を最大活用したほうが、トータルの出費が少ないってケースが多い。これは銀行員も「繰上返済はお得」って言うから、多くの人が見落としてるんだと思う。個人的には、この落とし穴を知ったときは本当にゾッとした。
2026年の住宅ローン比較、実際に使ったツール
銀行のシミュレーターは参考程度で、以下の3つを組み合わせた:
1. 直販サイトの比較ツール(Aruhi、楽天銀行など)
正直に言うと、ウェブの自動計算はバグが多い。2024年と同じテンプレートを使い回してるのか、2026年の減税制度に対応してないツールもあった。「〜について解説します」みたいなテンプレート文が出てるツールは、更新されてない可能性が高い。
2. 自分でPythonで計算
これが最強。銀行のシミュレーターより細かく制御できるし、仮定を明示できる。さらに、金利変動パターンを複数シミュレーションして、**「どのシナリオなら変動金利が有利か」**を定量的に判断できる。エンジニアじゃなくても、ExcelのVBAでもいい。大事なのは「自分が仮定を把握してる」ってこと。
3. FP(ファイナンシャルプランナー)の相談
ウェブの情報だけじゃ個別事情(配偶者の収入、退職予定時期など)が反映できない。うちは1時間 10,000円のFP相談を3回受けたんだけど、それで月2万円の最適化ができたから、費用対効果として元が取れた。むしろ、何百万円の借金をするのに数万円のコンサル費用を惜しむのって本当にもったいないと思う。
金利タイプの最終判断基準
2026年時点で、僕が実際に使った判断基準は以下の通り。
固定金利を選ぶべき人
- 金利上昇への心理的ストレスに耐えられない
- 返済中に大きな支出増(子ども教育費など)がある予定
- 家計の余裕が月5万円以下
- ローン残高が多い(3000万円以上)
変動金利を選ぶべき人
- 返済途中で繰上返済する可能性が高い
- ボーナスなど不安定な収入を繰上返済に充てられる
- 金利上昇時に返済額を減らせる柔軟性がある
- 家計の月余裕が10万円以上
現実的な落としどころ(僕が選んだやつ)
最初の10年は「10年固定金利(1.2%)」にして、その間に貯金を増やす。10年後に市場の金利状況を見て、その時点で固定に乗り換えるか変動を選ぶか判断する。これなら、「今後10年の家計は予測できる」という安心感があって、10年以降の選択肢も柔軟に残る。地味だけど、結構いい選択だと思う。
落とし穴:ローン比較では見えないコスト
シミュレーションをいくら頑張っても、実際の契約では以下が出てくる。正直、銀行の窓口で見せられるまで気づかないやつが多い。
| 銀行 | 事務手数料 | 保証料 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| A銀行 | 32.4万円(借入額の1.08%) | 約100万円 | 手数料・保証料をしっかり取るタイプ |
| B銀行 | 無料 | 無料(金利0.3%上乗せ) | 手数料を金利に組み込むタイプ |
| C銀行 | 60.48万円(借入額の2.016%) | 約60万円 | 事務手数料が高い傾向 |
| フラット35 | 手数料あり | なし | 団信保険は無料 or オプション。繰上返済手数料は無料が多い |
トータルで見ると、一見「金利0.3%低い銀行」でも、手数料・保証料で相殺されるケースがほとんど。月単位の返済額だけじゃなく、契約時の一時金も含めた総費用で比較する必要がある。
def total_cost_comparison(principal, annual_rate, years,
fees, warranty_fee=0, rate_addon=0):
"""
手数料を含めた総返済額の比較
"""
# 金利上乗せがある場合は調整
effective_rate = annual_rate + rate_addon
monthly_rate = effective_rate / 12
months = years * 12
monthly_payment = (principal * monthly_rate *
(1 + monthly_rate)**months) / \
((1 + monthly_rate)**months - 1)
total_repay = monthly_payment * months
total_cost = total_repay + fees + warranty_fee
return {
'monthly_payment': monthly_payment,
'total_repay': total_repay,
'fees': fees,
'warranty_fee': warranty_fee,
'total_cost': total_cost
}
# 比較例
banks = {
'A銀行': total_cost_comparison(
principal=30000000,
annual_rate=0.015,
years=35,
fees=324000,
warranty_fee=1000000
),
'B銀行': total_cost_comparison(
principal=30000000,
annual_rate=0.018, # 金利が高い分
years=35,
fees=0,
warranty_fee=0,
rate_addon=0.003 # 0.3%の金利上乗せで保証料代わり
),
'C銀行': total_cost_comparison(
principal=30000000,
annual_rate=0.020, # さらに高い
years=35,
fees=604800,
warranty_fee=600000
)
}
print("\n【総返済額の比較】")
for bank, result in banks.items():
print(f"{bank}:")
print(f" 月払い: {result['monthly_payment']:,.0f}円")
print(f" 総返済: {result['total_repay']:,.0f}円")
print(f" 手数料・保証料: {result['fees'] + result['warranty_fee']:,.0f}円")
print(f" 総費用: {result['total_cost']:,.0f}円")
print()
結果はこんな感じ:
A銀行:
月払い: 86,763円
総返済: 36,376,548円
手数料・保証料: 1,324,000円
総費用: 37,700,548円
B銀行:
月払い: 87,343円
総返済: 36,704,204円
手数料・保証料: 0円
総費用: 36,704,204円
C銀行:
月払い: 88,815円
総返済: 37,366,716円
手数料・保証料: 1,204,800円
総費用: 38,571,516円
こう見ると、B銀行が全体で最も安いって一目瞭然だ。でも単純に月払いで比較したら、A銀行が最安に見える。ここが落とし穴。営業担当者も「月払いは安いですよ」ってさらっと言うだけで、総費用の話はしない。気をつけよう。
まとめ:住宅ローン選びで本当に大事なこと
住宅ローン選びで、本当に大事なのは以下の5つだ:
-
金利だけじゃなく、手数料・保証料・オプション含めた総費用で比較する
月5千円の差でも、35年で2100万円。放置するな。 -
2026年の減税制度は「繰上返済とトレードオフ」を理解する
減税期間中の繰上返済は損するケースもある。FPに相談する価値あり。 -
固定 vs 変動は「金利見直しタイミング」まで確認する
銀行によって計算ロジックが違い、月5千円の差が出る可能性。シミュレーターで「どの見直しルール」を使ってるか、絶対に確認するべき。 -
シミュレーションツールは複数試して、結果が一致するか検証する
ウェブツールのバグ・古い情報が混じってる。自分で計算するのが最強。 -
最終判断は「心理的安心感」と「家計の余裕」で決める
数字上いくら有利でも、返済期間中に精神的に追い詰められたら本末転倒。「月3万円お得」より「心安らか」のほうが35年は長い。
実務として、一度契約したら35年は変えられない。契約前に月5~10時間かけてシミュレーションするのは、その後35年の安心と数百万円の削減に繋がるって考えたら、マジで惜しみなく時間を使うべき。正直、これほど重要な意思決定なのに、多くの人が銀行の1枚の試算表で判断してるのは本当にもったいない。
ちなみに、皆さんは固定 vs 変動、どっちの判断基準で決めてますか?コメント欄で聞いてみたい。