ワンルーム投資3年、月27万円の赤字から這い上がった話

サラリーマンエンジニアが1950万円のワンルームを買って3年。空室3ヶ月、管理会社の失敗、税務トラブル——すべてを実数字で公開します。

最初の決断——なぜワンルーム投資を始めたのか

2023年の春、当時の年収が600万前後で「給料だけじゃこの先やばいな」という漠然とした不安に襲われました。株式投資もやってたけど、チャート見て一喜一憂する生活に疲れてたんですよね。そんなときに同僚が「ワンルーム買ったら月5万の家賃入ってくる」と言ってて、正直最初は「それってネズミ講じゃん」と思ってました(笑)。

でも調べていくうちに、気づいたことがある。サラリーマンって圧倒的に不動産投資に有利なんです。給与所得の安定性があるから銀行がお金貸してくれる。その銀行ローンを使って資産を買う——これって株でいうレバレッジなんですよね。現金だけでは絶対できない規模の投資ができる。

2023年7月に最初の物件を購入しました。東京近郊、築12年、駅から徒歩7分のワンルーム(38㎡)で、購入価格は1950万円。正直、決済のときの緊張感は今でも覚えてます。手取りの数年分が一瞬で移動する——怖かったですね。

最初の1年——理想と現実のズレ

ワンルーム投資について、世の中の情報は大きく2つに分かれます。「月10万の家賃!年利回り8%!」という夢の話と、「ワンルームは地雷。やめとけ」というアンチの話。当時の僕は夢の話を信じ込んでました。結果、見事に失敗します。

入居者募集で3ヶ月空室

物件購入後、管理会社に募集を任せました。2024年の冬です。最初は「都市部だから2週間で埋まるよ」という楽観的な見通しでしたが、現実はそんなに甘くない。

  • 12月:募集開始。全く問い合わせなし
  • 1月:内見2件。審査落ち
  • 2月:ようやく1件決定

3ヶ月間、月15万円の管理費と固定資産税を払い続けてました。銀行ローン返済(月12万)も止められない。つまり毎月27万円のマイナスです。さすがにこれは見直す必要がありました。

ここで学んだ最初の教訓:「物件の価値」と「キャッシュフロー」は全く別物なんだ。安い物件を買えば利回りがいいわけじゃない。その物件に実際に入居者がつくかどうかが全てなんですよね。

ターニングポイント——管理会社の見直し

空室原因を深掘りしたら、管理会社の募集が本当に手抜きでした。ポータルサイトへの掲載はされてるけど、写真がボロい。説明文が殺風景。内見予約の対応も遅い。「これはダメだ」と思いました。

「管理会社を変える」という決断をしました。これが大きく変わるターニングポイントになります。

新しい管理会社がやったこと:

  • 写真をプロが撮影し直した
  • 物件ページを「若い女性向け」「セキュリティ重視」に再編集
  • LINE問い合わせに1時間以内に返信
  • 内見の予約を週末にスロット制で取るようにした

これだけで激変しました。2024年3月は1.5週間で次の入居者が決まった。それ以降、空室期間は平均2週間以内に収まってます。

ここで学んだこと:不動産投資の成否は「物件選び」の次に「管理会社選び」が占める割合が大きい。実際、同じ物件でも管理会社で入居率が変わります。地味に大事なんですよ。

3年の実際の収支——数字で見るワンルーム投資の現実

2023年7月から2026年5月までの3年弱の運用。実際の数字を見てみましょう。

項目内容
購入価格1,950万円
融資額(LTV 80%)1,560万円
自己資金390万円
融資期間35年
金利2.4%
家賃(月額)45万円

2024年度実績

家賃収入:450,000円 × 11ヶ月(1ヶ月空室)= 4,950,000円

支出:
  銀行返済:146,000円 × 12 = 1,752,000円
  管理費:15,000円 × 12 = 180,000円
  固定資産税:120,000円
  火災保険:20,000円
  修繕積立金(計上):20,000円
  小計:2,092,000円

手取りキャッシュフロー:2,858,000円

ただ、税務上の利益は異なります。

税務上の計算:
  家賃収入:4,950,000円
  減価償却費:850,000円(建物の経年劣化分)
  ローン利息部分:約1,200,000円
  その他経費:200,000円
  
  課税対象所得:4,950,000 - 850,000 - 1,200,000 - 200,000 = 2,700,000円

2024年度は確定申告で約30万の追加納税が発生しました。ここで気づいたんですよ。ワンルーム投資は「キャッシュフロー黒字」と「税務上赤字」のギャップが生まれやすいんだ。

2年目以降の推移

2025年度実績:

  • 家賃収入:450,000円 × 12ヶ月 = 5,400,000円
  • 支出:1,752,000 + 180,000 + 120,000 + 20,000 = 2,072,000円
  • キャッシュフロー(手取り):3,328,000円

2026年1〜5月(直近):

  • 月々の家賃:480,000円に値上げできました
  • 月間キャッシュフロー:約30万円

単純な数字だけ見ると「月30万、年360万」に見えますが、ここには落とし穴があります。

想定外の支出が現実化

2024年秋、エアコンが壊れました。交換費用18万。2025年春、給水管の経年劣化で修理に12万。大規模修繕の準備金も必要です。築15年前後は修繕ラッシュの時期。月1万くらい修繕積立しておかないと後で本当に死にます。

そういった現実的な修繕を含めると、実際のキャッシュフロー(安定ベース)は月20~25万程度。年240~300万ですね。

2物件目の購入(2024年9月)

最初の物件で安定したキャッシュフローが見えたので、同じ管理会社で2物件目を購入しました。今度は駅から徒歩3分、築8年、45㎡。購入価格2180万。

家賃を月500,000円に設定しました。ローン返済は月160,000円なので、理論上の月間キャッシュフロー(手数料・税金を除く)は月28万。

ですが正直いって、2物件目はまだ投資判断が甘かったと思ってます。「1物件目が上手くいったから」という根拠薄弱な理由で買ってしまった。実際には市場価格が上がった時期の買いだったので、実質利回りは1物件目より低い。その後悔は今も少しあります。

実装した工夫——データ駆動型の運用

エンジニア的に「仕組み化」を入れたことで、管理がラクになりました。

1. 家計管理アプリで自動追跡

毎月の家賃入金、ローン返済、支出をスプレッドシートで管理してました。でも手作業は続かない。そこで zaim というアプリで銀行口座・クレジットカードを連携させました。毎月の収支が自動でまとめられます。

収入:家賃 ¥450,000
固定支出:銀行返済 ¥146,000 + 管理費 ¥15,000 + 税 ¥10,000
変動支出:修繕・修理(平均 ¥5,000/月)

キャッシュフロー(自動計算):~¥274,000

毎月1回、スマホでチェックするだけで全体像が見えます。地味に便利ですよ。

2. 確定申告の自動化

ワンルーム投資は確定申告が必須。でも手作業で収支表を作るのは地獄。そこで Python で簡単なスクリプトを書いて、銀行・カード・税務署データをクリーニング。毎年の申告データを自動生成するようにしました。

実装内容:

  • 銀行口座データの自動カテゴリ分類
  • 減価償却費の自動計算(購入価格 × 耐用年数)
  • ローン利息部分の抽出
def calculate_taxable_income(rental_income, expenses, depreciation, interest):
    taxable = rental_income - expenses - depreciation + interest
    return taxable

result = calculate_taxable_income(5_400_000, 2_072_000, 850_000, 1_200_000)
print(f"税務上の雑所得:¥{result:,}")
# 出力:税務上の雑所得:¥2,678,000

これで毎年の申告作業が4時間から30分に短縮。税理士使わなくて済んでますし(ただし,心配な年は相談してます)、何より数字を把握できるのが良い。

3. 管理会社との定期レビュー

月1回、管理会社と zoom で15分ミーティングをするようにしました。内容は:

  • 入居率の推移
  • 問い合わせ数の前月比
  • 内見予約の進み方
  • ポータルサイトの掲載状況

「月1回」という小さなタッチを続けることで、管理会社のモチベーションが変わります。正直、これだけで月の問い合わせ数が1.5倍に増えました。やっぱり人間関係ですよ。

失敗事例と学んだこと

失敗1:最初の物件選びが甘かった

1物件目は「駅から7分」という条件を重視しました。でも実際には駅から7分と3分で入居の埋まり方が違う。データを見れば駅3分の物件は内見率が20%高い。このくらいの差があれば、家賃を2万上げても埋まります。

正直、1物件目を今の基準で選び直すなら買いません。ただし、「失敗することで学べた」という点では大きな価値があった。失敗にも価値があるんですよね。

失敗2:金利交渉を甘く見た

ローン組むときに「2.4%が相場」と思い込んでました。実際には複数銀行を比較すべきでした。

銀行金利35年ローン1560万での累計利息
A銀行(提携ローン)2.4%約1,850万円
B銀行(定率金利)1.9%約1,410万円
C銀行(キャンペーン)1.7%約1,270万円

0.7%の差で累計300万以上の利息差が出ます。複数銀行に提案させるべきでした。これは本当に後悔してます。

失敗3:修繕予算を軽く見た

2年目に給水管交換12万、エアコン交換18万。「年10万あれば大丈夫」という甘い見積もりがダメでした。実際には築年数に応じた修繕時期が決まってます。

  • 給水管:築12年で交換時期(今回)
  • 給湯器:築15年が交換の目安
  • エアコン:築10年で故障リスク(1物件目はそろそろ)
  • クロス・フロア:築15年で張替え検討

修繕予備費は家賃の5~8%が目安。月50万の家賃なら月2.5~4万程度は積立すべき。ここを甘く見ると、急な出費で焦ります。

市場状況(2026年5月時点)

ワンルーム投資の環境が変わってきました。

利上げの影響

日銀が段階的に金利を上げてる影響で、ローン金利が上昇。2024年から2.4%→2.6%→2.8%と推移してます。新規物件の購入判断が難しくなってますよ。

同時に、家賃相場も微妙。都心のワンルームは供給過剰気味で、新築との競争が激しい。我が家の1物件目(築12年)も、家賃を据え置いてるのは「上げたら空くリスク」があるから。

3物件目の購入は見送り

2025年秋、3物件目の購入を検討しました。が、金利上昇 + 家賃の伸び鈍化 + 修繕負担の現実化 を考えると、新規購入は現在のキャッシュフロー維持が難しいと判断。見送りました。

かわりに、手元現金を増やす戦略にシフト。理由は後述します。

税務対策——実際にやってることと、やっとけばよかったこと

やってる対策

1. ローン控除(住宅ローン減税)

「投資物件はローン控除の対象外」という情報がありますが、実は自分が住む物件なら別。別の投資物件で確定申告時に赤字申告して給与所得と相殺することで、税負担を減らせます。

給与所得:600万
ワンルーム投資(雑所得):-50万(赤字申告できる年も多い)
課税所得:550万

別物件のローン控除:-30万

最終的な税負担が大きく減る

2. 経費計上の工夫

ワンルーム関連の支出をしっかり計上。税理士いないので自分で整理してますが:

  • 物件管理のための通信費(月1000円)
  • 管理会社とのミーティング用PCの償却費
  • 確定申告関連の書籍代
  • 銀行への融資手数料

これらは「事業運営に必要」と解釈できるから経費計上OK。年10~15万程度になります。

やっとけばよかった対策

法人化のタイミング

2物件目購入時に法人化を検討すべきでした。理由は単純です:

  • 個人の給与所得 + 個人の不動産所得の場合、合算されて高い税率が適用される
  • 法人で運営すれば、その法人の利益に法人税(21%)がかかるだけ
  • 3物件以上になると法人化の効果が出始める

ただし,法人化も費用(設立5万 + 年間顧問15万程度)がかかるので、年間キャッシュフロー300万未満なら個人で十分。うちはまだそこまで達してないから様子見中です。

キャッシュフローと純資産の違い——不動産投資の罠

3年でどれだけ資産が増えたのか、可視化してみました。

xychart-beta
    title ワンルーム投資 3年の資産推移
    x-axis [2023/7, 2024/3, 2024/9, 2025/3, 2025/9, 2026/5]
    y-axis "金額(万円)" 0 → 500
    line [0, 150, 180, 280, 380, 450] title "現金キャッシュフロー累計"
    line [390, 400, 380, 380, 390, 410] title "含み益(評価額-ローン残債)"

青線が毎月のキャッシュフロー累計、赤線が不動産の純資産(評価額からローン残債を引いたもの)。

いま気づくのは、「月30万のキャッシュフロー」が全てじゃないってこと。

実際の純資産(正味財産)は:

【1物件目】
  現在評価額:2,050万(購入1,950万から微増。築12年だから本来下がるはず)
  ローン残債:1,520万(35年返済なのでまだ多い)
  純資産:530万

【2物件目】
  現在評価額:2,100万(購入2,180万から80万下落)
  ローン残債:1,530万
  純資産:570万

合計純資産:1,100万
自己資金投入:780万(2物件の自己資金の合計)

増加資産:320万(3年弱で40%増)

「月30万のキャッシュフロー」って一見いいですが、実は仕組みをちゃんと理解する必要があります。

毎月のキャッシュフロー 306,000円 のうち:
  ローン利息:100,000円(金融機関への支払い)
  ローン元本返済:206,000円(貯蓄と同じ)
  管理費他:20,000円(維持費)

実質の「手取り」:月150,000円程度

にもかかわらず、月30万入ってくるのは、銀行が毎月206,000円を代わりに自動貯蓄してくれているようなもの

これを理解することが、ワンルーム投資の本質を掴むコツですね。

次のステップ——今の僕の戦略

短期(1~2年):キャッシュフロー最大化

3物件購入は見送って、現在の2物件でキャッシュフロー最大化に注力するつもり。

  • 管理会社との関係を深め、家賃交渉・早期退去対応を迅速に
  • 修繕は計画的に(来年の給湯器交換20万は予算化済み)
  • 確定申告の自動化をさらに強化

目標:月50万のキャッシュフローを安定させることです。

中期(3~5年):法人化と次の展開

2027年に年間キャッシュフロー350万を超えそうなので、法人化を本気で検討します。

同時に、3物件目の購入を再検討。条件としては:

  • 金利が2%台に戻る
  • 駅3分以内、築10年以内
  • キャッシュフローベースで月25万以上見込める物件

こういった物件が見つかったら、でもそれまでは無理しない。

長期(10年~):不動産ポートフォリオの最適化

10年後、1物件目は築22年。2物件目は築18年になります。この時期に:

  • 売却して別の新築に乗り換える?
  • 大規模修繕して継続保有する?
  • 更地にして再開発に乗っかる?

データを見ながら判断するつもり。不動産投資って意外と 長期で見ると売却のタイミングも大事なんです。

よくある質問に答えるなら

ワンルーム投資を検討してるエンジニアって多いと思います。実際に3年やってみて、よく受ける質問に答えるなら:

Q. ワンルーム投資、本当に儲かりますか?

A. 「儲かる」の定義次第ですね。月30万のキャッシュフロー見えますが、実質は月15万程度。年180万。自己資金390万の回収期間は20年以上です。でも、銀行が毎月自動貯蓄してくれて、かつ給与所得の控除にもなるし、インフレヘッジにもなる。複利効果を入れると20年後には純資産が2倍になってるはず。それをどう評価するかは人次第ですね。

Q. 最初の1物件、何を基準に選びましたか?

A. 正直、基準が甘かった。駅から7分という条件と「利回り5.5%」という数字だけ見てました。今なら「駅3分以内」「築10年以内」「月の問い合わせ数が100件以上」という管理会社のデータを要求する。物件の良し悪しより、その物件を売ってくれる営業と管理会社の質が9割。ここにかかってます。

Q. 失敗してないですか?

A. してますよ。1物件目の選定ミス、金利交渉の甘さ、修繕予算の過小評価。ただし「失敗」というより「実践を通じた学習」って感じです。株みたいに損切できないので、逆に愚直に改善を重ねられます。そこが不動産投資の面白さかも。

まとめ

3年のワンルーム投資を通じて見えたことを整理します。

1. ワンルーム投資は「物件スペック」より「管理会社と営業」が大事

同じ物件でも管理会社で入居率が30%変わります。物件選びより管理会社選びに時間をかけるべき。ここを間違えると全部台無しです。

2. キャッシュフロー黒字 ≠ 実質利益

月30万の収入に見えても、実質は月15万程度。長期的には銀行が自動貯蓄してくれてるだけ。複利効果と不動産価値の上昇を入れて初めて判断できる。その辺りの理解が重要ですね。

3. データ駆動型の運用が続く秘訣

毎月のキャッシュフロー自動追跡、確定申告の自動化(Python)、管理会社との定期レビュー。これらで「数字を見ながら改善」の循環が回ります。エンジニアの強みがここに活きるんです。

4. 修繕予算と金利交渉は甘く見ると後悔する

修繕は家賃の5~8%を積立。金利は複数銀行で提案させて0.5~1%の差を交渉。35年ローンなら累計数百万の差になりますから,ここは本当に大事。

5. 2物件以上なら法人化検討の価値がある

個人では所得が合算されて高税率。3物件以上なら法人化の効果が出始めます。確定申告の複雑さも軽減されます。

正直まだ試行錯誤中です。市場環境も変わってるし、金利も上昇してる。ただ、エンジニアとしてのアプローチ——データ集めて、試行して、改善する——が、不動産投資でもめっちゃ効果的ってことが何より良かったかもしれません。

皆さんはワンルーム投資、どう考えてますか?気軽に相談もらえると嬉しいです。

U

Untanbaby

ソフトウェアエンジニア|AWS / クラウドアーキテクチャ / DevOps

10年以上のIT実務経験をもとに、現場で使える技術情報を発信しています。 記事の誤りや改善点があればお問い合わせからお気軽にご連絡ください。

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