ワンルーム投資を3年やってみた正直な話——失敗も収支もすべて公開

「不動産投資って実際どうなの?」と聞かれてうまく答えられなかったエンジニアが、3年分の失敗・学び・リアルな収支をそのまま書きました。これから始めようか迷っている方へ。

先日、職場の後輩エンジニアに「不動産投資って実際どうですか?」と聞かれて、うまく答えられなかった。「まあ、悪くないよ」みたいな曖昧な返し方をしてしまって、帰り道にちょっと後悔した。せっかく実際に手を動かして3年やってきたんだから、正直に話せばよかったな、と。

だからこの記事は、ワンルーム投資を始めた経緯から、3年間で経験した失敗、今現在の収支感覚まで、できる限りリアルに書く。教科書的な解説はいらない。「実際にやってみてどうだったか」が知りたい人向けだ。

ちなみに僕はエンジニアとして10年以上働いていて、投資全般に興味が出始めたのがコロナ禍あたり。NISAやiDeCoはすでに活用していたけど(NISA・iDeCoをPythonで理解|エンジニアの複利効果完全攻略2026でまとめたやつ)、「インデックス投資だけで本当にいいのか?」という漠然とした不安から不動産に手を出した感じだ。


なぜワンルームか、最初に考えたこと

不動産投資にもいろんな種類がある。一棟アパート、一棟マンション、戸建て、区分マンション(いわゆるワンルーム投資)。最初は「一棟アパートのほうがスケールメリットがある」という話を読んで憧れたけど、現実的に考えると初期費用が1億円超えの話だし、エンジニアとして副業・副収入のポートフォリオに組み込むには区分マンションのワンルームが一番入りやすかった。

それぞれをざっくり比べると、こんな感じになる。

比較項目ワンルーム区分一棟アパート
初期投資額1,500〜4,000万円6,000〜1億5,000万円以上
ローン審査比較的通りやすいハードルが高い
管理の手間管理会社に丸投げ可自主管理も視野に入る
リスク分散1棟1室(空室=収入ゼロ)複数室でリスク分散
売却流動性比較的高い(都心なら)流動性低め
節税効果限定的大きい場合あり

最初は「ワンルームって業者の営業が激しいし怪しい」と思っていた。実際、いわゆる「不動産投資詐欺」で騒がれてきたのもワンルーム絡みが多い。でも「詐欺的な商品だから全部ダメ」ではなくて、構造を理解して選べば普通に資産になるというのが3年やってみた結論だ。


2026年のワンルーム市場、実際どうなの

正直に言うと、2026年現在の環境はワンルーム投資においてかなりシビアになってきている。

日銀が2024〜2025年にかけて利上げを継続したことで、変動金利の住宅ローンが実質的に上昇している。投資用ローンも例外ではなく、以前は1.5〜2%台で組めていたものが、今は2.5〜3.5%前後が標準になってきた感覚だ(金融機関・属性によって差はある)。

# 僕が契約したローン条件(参考値)
購入年:2023年3月
物件価格:2,180万円(東京都内、駅徒歩7分)
借入額:1,980万円
金利:変動 1.975%(当時)
返済期間:35年
月々返済額:65,800円

# 2026年5月時点での状況
現在金利:2.675%(2回の利上げを経て)
月々返済額:72,400円(差額:+6,600円/月)

これ、地味にキツい。毎月6,600円増えるって年間で約8万円だから、キャッシュフローの計算が狂う。賃料は簡単に上げられないので、利上げのインパクトはほぼ全部オーナー側が被る構図だ。

一方でポジティブな面もある。コロナ後の都市回帰で都心ワンルームの空室率が下がっており、特に23区内・駅徒歩10分以内の物件は引き続き需要が強い。僕の物件は管理会社から「空室期間はこの3年で計31日だけです」と言われた。これは正直ラッキーだったと思う。

xychart-beta
  title "ワンルーム投資ローン金利の推移(参考)"
  x-axis ["2022年", "2023年", "2024年", "2025年", "2026年"]
  y-axis "金利(%)" 0 --> 5
  bar [1.5, 1.975, 2.2, 2.45, 2.675]

キャッシュフローの実態、赤字でも「意味がある」のか問題

ワンルーム投資をやっていて一番聞かれるのが「毎月プラスになってますか?」という質問だ。結論から言うと、僕の物件は毎月マイナス収支だ。

# 月次キャッシュフロー(2026年5月現在)

賃料収入:              75,000円
ローン返済:           -72,400円
管理費・修繕積立金:    -8,200円
管理会社手数料(賃料の5%):-3,750円
火災保険・地震保険(月割):  -600円
────────────────────────────────
月次収支:              -9,950円/月
年間収支:            -119,400円/年

「え、赤字なのに続けてるの?」と思うかもしれない。そう、赤字だ。でも不動産投資って「月次キャッシュフロー」だけで判断するのが間違いで、本当は3つの軸で考える必要がある。

flowchart TD
    A[ワンルーム投資の収益構造] --> B[インカムゲイン\n賃料収入]
    A --> C[キャピタルゲイン\n売却益]
    A --> D[節税効果\n所得税・住民税の圧縮]
    B --> E{月次収支}
    C --> F{売却時収支}
    D --> G{確定申告でのメリット}
    E --> H[僕の場合:月-約1万円]
    F --> I[含み益:+約180万円推定]
    G --> J[年間節税額:約12万円]

節税については、不動産投資の確定申告2026年版|Python経費管理自動化の実践ガイドに詳しく書いたので参考にしてほしい。減価償却を使った所得圧縮で、住民税・所得税を合わせて年間12〜15万円程度の節税効果があった。

含み益の話をすると、2023年に2,180万円で買った物件が、2026年現在の査定では約2,360万円前後。都心物件のインフレ効果と、金利上昇で新規購入者が減ったことによる中古物件需要の維持が重なった結果だと思う。もちろんこれは確定した利益ではないけど、ローンを返済しながら資産価値が維持されているという事実は地味に大きい。

pie title 月次コスト内訳(2026年5月)
  "ローン返済" : 72400
  "管理費・修繕積立" : 8200
  "管理会社手数料" : 3750
  "保険料" : 600

物件選びで後悔していること、正直に書く

ここが一番重要かもしれない。3年やって「ここ失敗したな」と思う点を、包み隠さず書く。

1. 築年数と修繕積立金の確認が甘かった

僕の物件は購入時点で築16年。管理組合の修繕積立金の残高確認を怠った。2025年末に「大規模修繕の予定があり、修繕積立金の増額が決議されました」という通知が来て、月2,500円→5,200円に跳ね上がった。年間で3万円以上の固定費増加。購入前に修繕計画書を必ず確認すべきだったと、今でも悔やんでいる。

2. 「サブリース契約」の罠を知らなかった

最初に業者から提案された物件はサブリース(転貸)契約つきだった。「家賃保証で安心!」と説明されたけど、よく読むと2年ごとに賃料の見直し(=値下げ)条項があり、長期的には保証額が下がり続ける構造だった。今の物件は通常の管理委託にして正解だったと思っている。サブリースの「安心感」は、かなりの部分が錯覚だ。

3. 金利タイプの選択

変動金利を選んだことで、前述の通り返済額が増えた。当時は「変動のほうが低い」という単純な判断だったけど、2年後に利上げが来ることまでは読めなかった。固定金利にしておけばよかったとは必ずしも思わないけど、シナリオを複数持って試算しておくべきだったというのは反省点だ。

物件選びのチェックリストとして、今なら以下を必ず確認する。エンジニア的に言えば「本番デプロイ前のチェックリスト」みたいなもので、抜けがあると後で絶対痛い目を見る。

# 物件購入前チェックリスト(個人的に整理したやつ)

✅ 管理組合の修繕積立金残高(総額・1室あたり)
✅ 長期修繕計画書の存在と内容
✅ 過去5年の空室履歴(管理会社に聞く)
✅ 周辺の賃貸相場(SUUMOで実際に検索)
✅ 競合物件数と差別化ポイント
✅ サブリース契約の有無と条件詳細
✅ 金利上昇シミュレーション(+1%、+2%でのキャッシュフロー)
✅ 売却シミュレーション(5年後、10年後の想定売却価格)
✅ 瑕疵担保責任・インスペクション実施有無
✅ 管理組合の議事録(直近3年分)

2026年にワンルームを始めるなら、何を押さえるか

正直まだ試行錯誤中の部分もあるけど、2026年現在の環境で新規参入するなら以下を意識したほうがいいと思う。

金利環境を前提に計算し直す

2024〜2025年の利上げを経て、「フルローンで月プラスになる物件」は都心ではほぼ存在しない。それを理解した上で「トータルリターンで見る」か「頭金を厚く入れてキャッシュフローをプラスにする」かを選ぶ必要がある。数字で見るとこうなる。

# 頭金シミュレーション(物件価格2,500万円の場合)

── 頭金なし(フルローン)──
借入額:2,500万円
月返済(金利3.0%/35年):96,700円
想定賃料:85,000円
月次収支(管理費込み):約 -25,000円/月

── 頭金500万円 ──
借入額:2,000万円
月返済(金利3.0%/35年):77,400円
想定賃料:85,000円
月次収支(管理費込み):約 -5,600円/月

── 頭金1,000万円 ──
借入額:1,500万円
月返済(金利3.0%/35年):58,000円
想定賃料:85,000円
月次収支(管理費込み):約 +13,800円/月

頭金を1,000万円入れてようやく月プラスになるという現実。「不動産投資で不労所得!」というイメージとはかなり違う。ただ逆に言えば、ある程度の自己資金がある人にとっては依然として有効な選択肢だとも思う。

物件エリアの選定眼

エリア選びは、個人的にこのフローで考えている。

flowchart LR
    A[物件エリア選定] --> B{人口動態}
    B -->|増加・維持| C[23区中心部\n大阪・名古屋中心部]
    B -->|減少傾向| D[地方都市\n郊外]
    C --> E{駅距離}
    E -->|徒歩10分以内| F[✅ 推奨]
    E -->|徒歩10分超| G[⚠️ 要検討]
    D --> H[❌ 原則回避]
    F --> I{築年数}
    I -->|〜築20年| J[✅ 安定]
    I -->|築21〜30年| K[⚠️ 修繕計画確認必須]
    I -->|築31年〜| L[❌ よほどの好条件でない限り回避]

地方の高利回り物件が「利回り10%超え!」みたいに宣伝されているのをよく見かけるけど、個人的には懐疑的だ。空室リスクと流動性の低さを計算に入れると、実質利回りが相当下がる。都心の低利回りを選ぶほうが、長期的な安定性という意味では正解が多いと感じている。

税制・制度まわりも変化がある

住宅ローン控除の改正や相続税の基礎控除見直しの議論など、2026年現在も制度は動いている。住宅ローン比較2026|IT技術者向け金利シミュレーション最適化も参照してほしいけど、投資用ローンと住宅ローンは別物なので混同しないように。

節税目的でワンルームを活用するなら、確定申告での不動産所得の損益通算が鍵になる。青色申告で届け出をして、減価償却費・ローン利息・管理費などを経費計上することで、給与所得と相殺できる。ただし「節税のためだけに買う」のは構造が脆弱で、キャッシュフローが耐えられなくなったときに詰む。これは本当に気をつけてほしい。


まとめ

3年間ワンルーム投資をやってみた感想を一言で言うと、「思ったより地味で、思ったより悪くない」だ。不労所得でどんどん増えるみたいな幻想は最初の半年で消えたけど、強制的に資産が積み上がっていく感覚は確かにある。後輩に「まあ、悪くないよ」と言ってしまったのも、あながち間違いではなかったかもしれない——ただ、そこに至るまでの泥臭い話を省いていただけで。

要点をまとめる:

  • 2026年の金利環境は厳しい。月次プラス収支を目指すなら自己資金をしっかり入れる必要がある
  • キャッシュフローだけで判断しない。含み益・節税・ローン返済による純資産増加をトータルで評価する
  • 物件選びは修繕計画・管理状態・エリア人口動態が命。利回り数字だけに釣られると後悔する
  • 変動金利のシナリオ計算は必ず複数パターンで。金利+1%、+2%でも持ちこたえられるか確認する
  • 節税効果は確定申告でしっかり回収する。減価償却・損益通算を理解して活用する

次のアクション:

  1. まずは自分の手取り収入・金融資産・借入可能額を整理する
  2. SUUMOやアットホームで気になるエリアの賃料相場を1ヶ月間観察する
  3. 物件購入前チェックリストを自分なりにカスタマイズして持つ
  4. 税理士か不動産投資経験者に一度相談してみる(自分の属性でどのくらい節税できるか確認)

「エンジニアとして投資もやるべきか」という話は、皆さんどう考えてます?インデックス投資一本でいくか、不動産も組み合わせるか——正解はない気がしてるけど、少なくとも「まったく考えない」より「一度ちゃんと向き合う」ほうがいいとは思っている。

U

Untanbaby

ソフトウェアエンジニア|AWS / クラウドアーキテクチャ / DevOps

10年以上のIT実務経験をもとに、現場で使える技術情報を発信しています。 記事の誤りや改善点があればお問い合わせからお気軽にご連絡ください。

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