表面利回り8%で買った物件が3年で赤字に|5年3物件の失敗から学んだ本当のチェックリスト
利回りだけで物件を選んで後悔しました。表面8.2%が実質3.1%に化けた理由と、5年間の運用で気づいた本当に見るべき判断基準を実体験から解説します。
最初の物件で8%利回りに釣られて後悔した話
先日、オーナーチャットで「利回り8%のワンルーム、買ったら3年で赤字になった」って話を聞いてね。それ、僕も同じことやってるんですよ。
5年前、初めて物件を買った時、営業担当から「表面利回り8.2%です」って言われて、もう脳汁出まくりで契約してしまった。当時の僕は「利回り=全て」という超単純な思考で、その数字だけを追いかけてたんです。
でも現実はそんなに甘くなかった。
実際に物件が来た翌月から、次々と想定外の費用が出てきた。水道管のサビで修理費15万円、エアコン一台の交換で8万円、瑕疵保険の契約で月2,000円の追加費用、固定資産税も当初説明より5万円高かった。こういう細かい足し算を3年もやってると、当初の「8.2%」はいつの間に「実質3.1%」に化けてるんですよ。税金も引くと実質手取りは月2,000円とかそんなレベル。これ、銀行貯金のほうがマシじゃん、って絶望しました。
利回り計算の「表面」と「実質」の罠
ここで大事なのが、不動産投資の利回りには2種類あるってこと。多くの物件情報サイトや営業トークに出てくるのは「表面利回り」で、これは
表面利回り = (年間家賃収入) ÷ (購入価格) × 100
という単純計算。めっちゃシンプルで、一見高そうに見えるんです。でも実際には、修繕費や税金、空室リスクを全部引いた「実質利回り」で計算すると
実質利回り = (年間家賃収入 - 年間運営費) ÷ (購入価格 + 初期投資) × 100
になるわけ。この「年間運営費」を正確に見積もるかどうかで、買った後の人生が変わります。
実際に僕が3物件で積み上げた年間運営費を見ると、これまでの想定がどれだけズレていたかが一目瞭然。
| 費目 | 当初予想 | 実績 | ズレ |
|---|---|---|---|
| 管理費 | 5,000円 | 6,200円 | +1,200円 |
| 修繕積立 | 3,000円 | 5,800円 | +2,800円 |
| 固定資産税 | 3,500円 | 4,800円 | +1,300円 |
| 火災保険 | 800円 | 1,200円 | +400円 |
| 空室補正 | 0円 | 2,000円 | +2,000円 |
| 突発修繕 | 2,000円 | 4,500円 | +2,500円 |
| 合計 | 14,300円 | 24,500円 | +10,200円(+71%) |
うちのチームでこの表を作ったとき、誰もが「え、月額に40%の乖離?」ってなったんですけど、これが現実なんですよ。特に突発修繕と空室補正を甘く見てた人が多かった。
データドリブンで見た「本当に稼ぐ物件」の3つの条件
5年運用して、僕のポートフォリオは3物件中2物件が赤字という散々な状態だった。でも「負けを認めて改善する」がエンジニア的思考の基本じゃないですか。そこから腰を据えて、何が違うのかを可視化してみました。
条件1:新築よりも築10〜20年の「中古メイン視点」
新築物件って、購入時点で20〜30%が建築業者の利益として上乗せされてるんです。つまり、買った瞬間に価格が下がる。だからこそ、利回り計算だけ見ると新築は表面9%とかあるんですけど、実質ベースでは4〜5%に落ちることが多いんですよ。実は、新築だからって利益が出やすいわけじゃないんです。
一方、築15年の物件は既に価格が底を打ってるので、利回り計算が割とそのまま実現する。実際、僕の第2物件(築16年、利回り表記5.8%)は実質4.9%で落ち着いてます。新築よりずっと現実的。むしろ、中古物件のほうが数字に嘘がない感じがします。
条件2:家賃が相場より5%以上高い物件は避ける
これ、競争力指標として超重要です。買った後に空室が出た時に、募集家賃をどこまで下げられるかの余裕度がそのまま赤字の深さになるんですよ。
僕の第1物件は「この立地なら月8.5万が相場なのに、売主が月9.2万でキープして欲しい」って言ってたんです。最初の3年間はそれで通ったんですけど、4年目に空室が出た途端、月8.0万まで下げないと決まらなかった。その時点で月額1.2万の損失確定です。相場を無視した賃料設定の怖さをまざまざと見せられました。
相場チェックは、Suumoだけじゃなく、管理会社に「この物件の立地で今募集したら幾らが相場か」を直接聞くことをお勧めします。情報非対称性が大きい業界だからこそ、生の声が大事なんです。
条件3:運営コストが「年間賃料の15%以内」に収まるか
これは、買う前に必ず計算すべき数字です。
年間運営費 ÷ 年間家賃 = 運営コスト率
これが20%を超えると、もう個人投資家では対応できない複雑さになります。なぜなら、物件によって修繕のタイミングがバラバラだから、利益が予測不可能になるからです。
僕の第1物件は、実際に計算してみたら運営コスト率が22%でした。つまり、100万円稼いでも22万円が費用で消えてるわけ。築20年超える前に売却を決めた理由がこれです。
物件を見に行く前に、Excelで15年シミュレーションする習慣
これはマジで大事。営業の「利回り8%です」に�brain乗っ取られる前に、自分で手を動かして数値を組み立てることをお勧めします。
実際、うちのチームで導入してみたのは、Googleスプレッドシートでシナリオ分析テンプレートを作ること。買った物件について、以下の3パターンをシミュレートするんです。
- ベストシナリオ:空室が年2ヶ月未満、修繕費は年5万以内
- リアリティシナリオ:空室が年3〜4ヶ月、修繕費が実績ベース
- ワーストシナリオ:空室が年6ヶ月、大規模修繕(リノベーション100万)が5年目
この3つを15年分ロールフォワードして、累積の手取りをグラフで見ると、「この物件、3年目から赤字じゃん」って気づくんですよ。営業のトークに乗る前に。
xychart-beta
title "物件投資 3シナリオのキャッシュフロー(15年)"
x-axis [1年, 3年, 5年, 7年, 10年, 12年, 15年]
y-axis "累積手取り(万円)" -100 1000
line [80, 240, 320, 280, 150, -100, -250] "ワースト"
line [150, 480, 720, 900, 1200, 1350, 1500] "リアリティ"
line [180, 560, 950, 1400, 1950, 2200, 2600] "ベスト"
このグラフを見ると、同じ物件でもシナリオによってえらい違いが出てくる。特に「リアリティシナリオ」と「ワースト」の幅が大きい物件は、リスク許容度が低い個人投資家には向きません。この3パターンを見て「ワーストでも5年目でプラスか」ぐらいの物件を選ぶのが、僕の現在のルールです。
チェックリスト:買う前に確認すべき5つの数字
2023年に、僕の経験から学んだ購入判断リストを作りました。地味ですけど、これ本当に役立ってます。
1. 表面利回りが6%以上か、実質で4%以上か
これより低いなら、株式投資や債券のほうがマシです。管理の手間と時間を考えると割に合わない。不動産投資のメリットは「ローンが組める」「インフレヘッジになる」とかだけど、4%未満の実質利回りなら、わざわざリスクを取る意味がないんですよ。
2. 新築か築20年以内か
築20年を超えると、修繕費が一気に跳ね上がります。実際、僕の第1物件は築22年で買ったんですけど、5年目からメンテナンスが月2万を超えるようになった。給湯器の寿命が来たり、外壁の補修が必要になったり…。個人投資家には対応しきれない領域に入ります。
3. 相場家賃との乖離が5%以内か
「周辺相場より家賃が高い」物件は、空室リスク大。買う時点で既に賞味期限が切れてるかもしれません。特に「売主が強気だから」と高い賃料で設定されてる物件は、空室が出た時に急激に赤字に転落します。
4. 管理会社の対応が親切か(3社以上に見積取得)
これ、本当に大事。不動産投資で一番のストレスは「問題が起きた時に、管理会社から返答がない」ことです。建物の修繕なんかより、心の負担が大きい。昼間に連絡しても「明日確認します」の返答がない管理会社も多いんですよ。
購入前に、その物件を管理してる複数の管理会社に「もし管理をお願いしたら、修繕対応の平均日数は?夜間の対応はどうしてる?」って聞いてみてください。返答が早い会社を選ぶことで、後々のストレスが全然違います。
5. 運営コスト率が15%以内か
先ほど書いた通り、これを超えると予測不可能な領域に入ります。個人投資家が月2時間程度の管理で回せる物件の上限はここだと思います。
物件購入後の失敗パターン3つ
ここまで「買う前」の話をしてきたんですけど、「買った後」も地雷があります。実体験で踏んだものを書きます。
失敗1:修繕費を「年5万で十分」と甘く見ちゃう
現地に行ったら、配管から水漏れが。修理に15万。その直後、給湯器が逝った。15万。みたいなことが起こります。これ、1年おきぐらいのペースで何か出てくるんですよ。統計的には、築15年以上の物件は年10万以上の修繕費は覚悟しておくべき。むしろ「毎年何かしら出る」くらいで予算組みしておく方が、心理的にも楽です。
失敗2:空室対策を「安さ優先」で選ぶ
「リノベーション予算を10万に抑えたい」って思うんですけど、ここをケチると、その後3年間、家賃を2万下げないと埋まらない状況になります。むしろ初期投資30万でリノベーションして月1.5万上げた方が、4年で投資が回収できます。短期的な支出を恐れて、長期的な損失を作るのが、この失敗のパターンですね。
失敗3:ローンの組み方を失敗する
これ、超重要。ワンルーム投資で銀行から借りる時、「20年ローン」で組むと、16年目から償却率が逆転して赤字になることがあります。物件の劣化カーブと、ローン返済カーブのズレです。最初の10年は利息が多くて所得控除のメリットがあるんですけど、後半になると利息が減る一方、修繕費はどんどん増える。この逆転を意識して、むしろ「15年ローン」か「一括購入」を検討した方がいい場合もあります。
SIer時代に統計学を学んだ経験が、物件選びで本当に活きた
正直、不動産投資って、データドリブンな業界じゃないんです。「この物件は雰囲気がいい」「管理会社の人が親切」みたいな定性的な判断で買ってる人が多い。実は、そういう判断の方が失敗するんですよ。
でも僕は仕事でデータ分析をやってるので、その習慣を不動産にも持ち込みました。結果、第2物件からは失敗が減った。今は「シナリオ分析→実績トラッキング→改善」のサイクルが回ってて、3物件目は実質利回り4.8%で安定してます。全然派手な数字じゃないですけど、手取りが毎月ちゃんと出てくるのが地味に便利。
エンジニア的視点で言うと、物件選びは「要件定義」みたいなもんですよ。最初にちゃんと定義(数値化)しておかないと、運用フェーズでえらい目に遭う。テストなしでリリースするようなもんです。
まとめ:不動産投資で失敗しないための5つのルール
不動産投資の物件選びで失敗しないために、押さえておくべきポイントをまとめます。
- 表面利回りに騙されるな。実質利回りを自分で計算する癖をつけること。
年間運営費が想定の150%になるのはザラです。営業トークを鵜呑みにせず、最低でも管理費・修繕費・空室補正を自分で見積もること。
- 新築は買うな。築10〜20年の中古を狙え。
価格が既に底を打ってる分、利回り計算がそのまま実現しやすい。新築は見た目はいいけど、買った瞬間に含み損が出ます。
- 15年シミュレーションを3パターン作る。
ベスト・リアリティ・ワーストの3つで、物件のリスク許容度が見える。「ワーストでもプラス」くらいの物件を選ぶことで、後々の後悔を減らせます。
- 相場家賃との乖離と管理会社の対応を、利回り以上に重視する。
買った後のストレスが全然違う。特に管理会社の対応速度は、投資成功の鍵を握ってます。
- 運営コスト率15%以内が個人投資家のボーダーライン。
これ超えると、予測困難な領域に入ります。管理の手間も増えるし、利益の変動が大きくなる。
次のアクション:もし今、物件購入を検討してるなら、Excelでシミュレーション作成してから内見に行くことをお勧めします。営業トークに脳乗っ取られる前に、自分の数字で判断する。これが本当に大事です。
不動産投資は「一度の判断ミスが15年のツケになる」という、エンジニア的には地獄のようなプロジェクト管理の世界です。だからこそ、前工程(物件選び)を手抜きしちゃダメ。ここで詰めれば、後が楽になりますよ。